こんにちは!
小さい会社にネットマーケティングを普及させようと企んでいるTAOの寺内です。
前回は「SEO対策」の正しい取組み方についてお話し、アクセス数を増やす、といった「目的」がまず必要だということをお伝えしました。
今日はそのアクセス数に潜む罠についてお話しします。
アクセス数とはサイト(ホームページ)に訪れた回数のことです。
訪れた回数というのは、訪問した人の頭数ではなく、同じ人が2度訪問しても2回とカウントされる、いわゆる「延べ人数」です。
このことは特に問題ではなく、アクセス数の中身、つまり「どのような訪問だったか」というところに問題が潜んでいます。
SEO対策のところで「意味の無いキーワードでの上位表示」がどれほど無駄なことであるかをお話し、「上位表示」というSEO会社の甘い誘惑にのってはいけませんよ、ということをお伝えしました。
実は、さらにこの上を行くような誘惑
「アクセス数がこんなに増えました!」
というものもありますから要注意です。
「アクセス数を増やすのを目的にして取組んだ結果、増えたんだから良いのでは?」と思われるかもしれませんが、最初に書きましたように、アクセス数も増えればいいというわけではないのです。
「アクセス解析」というのをされている方はおわかりだと思いますが、グーグルが提供している無料の解析ツール「アナリティクス」というのを使えば、毎日どれだけの訪問があり、どのようなキーワードでサイトに来たのかなどがわかります。
この中で訪問数(アクセス数)やユーザー数(訪問した人の頭数)、ページビュー数(各ページを見た数)はよく見ていて、その数に一喜一憂する方が多いのですが、そこにある「直帰率」「滞在時間」にも注目しなければいけません。
直帰率というのは訪問したけども訪問したページ以外のページに行くこともなく帰っていった数の割合のことで、滞在時間はそのものズバリ、そのサイトに滞在した時間です。
おわかりだと思いますが、直帰率が高いということは、訪問はしてみたが「ここじゃなかった」といって帰った人が多かったということになりますから、訪問した人の目的とサイトが合っていないことを意味しています。
つまりサイトの内容と訪問した時の動機、一つには対策をしているキーワードが合っていない可能性があります。
また、滞在時間も同じことで、滞在が数秒しかないということは、やはり同じような問題が存在していると考えられるのです。
ここで、本題の「アクセス数がこんなに増えました!」という甘い罠が見えてきたと思います。
そうです、アクセス数がたとえ以前より倍になったとしても、直帰率が高くなった、あるいは滞在時間が激減したということであれば、やはり意味がありません。
「1ヵ月のアクセス数が500ぐらいだったのが、3ヶ月で何と10,000になりました!」とテレビショッピングのコピーかと思うような言葉を聞いたこともありますが、その中身を見せてもらうと直帰率90%、滞在時間20秒だったのには驚きました。
さらに、そのサイトのオーナーの感想が「こんなに増えて驚いています。ただ問合せなど売上につながっていないので、それが今後の課題かな」ということでした。
確かにそこまで増やすのは並大抵のことではありませんから、そこから改善をしていけば、とも考えられます。
ただ、直帰率90%というのは明らかに「ミスマッチ」が生じていますから、今のアクセス数を売上につなげていくように改善するのは難しいでしょう。
では、どれだけの数値なら良いのかというと、これも前回のSEO対策と同じでそれぞれが研究をしているものなので色々な数値が出されていますが、おおよそ直帰率で60%以下、滞在時間は1分以上というのが目安とすれば良いでしょう。
さらに「訪問別ページビュー数」というのがあり、1回の訪問で何ページ見たのかという数値ですが、これも3~5PVというのを目安にすれば、合わせて今のサイトの状態や課題が見えてきます。
そしてアクセス数ですが、これは特に決まった数はありませんが、まずは月間1,000アクセスを目指して取組みを始めるのが良いでしょう。
なぜなら、アクセスしてきた人が問合せなど売上につながる行動(コンバージョン)をする確率が約1%と言われていますから、1,000アクセスなら10件は何かしら売上につながる結果を得られることになると考えられるからです。
最後にもう一度お伝えしますが、アクセス数もただただ増やすことばかりを考えず、その中身、自分が目指すべき相手とのマッチングを見ながら改善をしていくことが大切です。
この取組みは「マーケティングの可視化」であり、本来なら莫大な費用がかかる活動(マーティングリサーチやテストマーケティング)ですから、費用をかけられない小さな会社ほど是非取組んで頂きたいと思います。